「業務で使っているサーバーの調子が悪い…」
「HDDの寿命が心配なので、SSDに交換して延命したい!」
「専用の業務ソフトのデータも確実に新しい環境に移行できるだろうか…」
企業活動において、サーバーは業務データを集約・管理する心臓部とも言える重要な存在です。そのサーバーに不具合が発生したり、構成部品の寿命が近づいたりすると、業務全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。今回は、法人のお客様(株式会社デジタルコア様)より、お使いのサーバーを2026年9月まで安定して使用したいとのご要望を受け、RAID1構成のHDDからSSDへの換装、および専用業務ソフトウェアのデータ移行を行った事例をご紹介します。
お客様からのご相談内容:サーバーの延命とデータ移行
株式会社デジタルコア様よりご相談いただいたサーバーは、RAID1構成(ミラーリング)の500GB HDDを2台搭載したものでした。RAID1は、同じデータを2台のHDDに同時に書き込むことで、片方のHDDが故障してももう一方のHDDからデータを読み出すことができ、耐障害性を高める仕組みです。しかし、HDD自体には寿命があり、長期間使用していると故障のリスクが高まります。
お客様のご要望は以下の通りでした。
- サーバーを少なくとも2026年9月まで安定して使用できるようにしたい。
- そのために、HDDをより高速で信頼性の高いSSDに換装したい。
- サーバー上で稼働している専用の「浄化槽管理ソフト」のデータ(SQLデータベース)を、新しいSSD環境に確実に移行したい。

診断と課題の把握:RAID構成と特殊なデータ形式
まず、お預かりしたサーバーの診断を行いました。
- HDDの状態確認: 2台のHDDのうち、1台にセクタエラー(読み書きできない不良箇所)が発生していることが判明しました。RAID1構成のため、もう一方のHDDが無事であればデータは保護されていますが、放置すればシステム全体の不安定化やデータ損失のリスクがあります。
- RAIDコントローラーの確認: このサーバーはFujitsu独自のRAIDチップ(LSI製)を使用したハードウェアRAID構成でした。これは一般的なIntel製チップセット内蔵のRAID機能とは異なるため、データ移行や再構築には特有の知識と注意が必要です。
- データ形式の確認: 専用の「浄化槽管理ソフト」は、SQLデータベースを使用していることが分かりました。単純なファイルコピーではなく、データベース内のテーブルデータを適切にエクスポート(書き出し)する必要があります。
これらの診断結果から、SSDへの換装とデータ移行には、慎重かつ専門的な手順が必要であることが明らかになりました。
修理・移行作業:段階的なアプローチで確実なデータ保全
今回の作業は、以下のステップで進めました。
1. SQLデータベースのデータエクスポート
最も重要な「浄化槽管理ソフト」のデータを保護するため、まずSQLデータベースからのデータエクスポートを行いました。幸い、お客様が以前(2019年度)にバックアップされたファイルが存在し、これを参考に必要なデータベーステーブルを特定。専用のツールを使用して、データをCSVファイル形式で安全に書き出しました。データ容量自体はそれほど大きくなく、USBメモリでの保管も可能な範囲でした。
ポイント:業務システムやデータベースのデータ移行は、ファイル形式や構造を正確に把握し、適切なツールと手順で行うことが不可欠です。単純なコピーではデータが破損したり、正常に読み込めなくなったりする可能性があります。
2. RAID1構成HDDからSSDへの換装とリビルド
RAID1構成の場合、単純にHDDをSSDにクローンコピーすることはできません。1台ずつ交換し、RAIDコントローラーによるリビルド(データの再構築・同期)作業を行う必要があります。
対処内容:
- まず、セクタエラーのない正常なHDDを1台取り外し、新しいSSDに交換しました。
- RAIDコントローラーの機能を利用して、残りのHDDから新しいSSDへデータをリビルドしました。
- リビルド完了後、エラーのあったHDDを取り外し、もう1台の新しいSSDに交換しました。
- 再度リビルドを行い、2台のSSDによるRAID1構成を再構築しました。
この手順により、既存のシステム環境とデータを保持したまま、ストレージをHDDからSSDへ安全に移行することができました。
ポイント:ハードウェアRAID構成の換装作業は、RAIDコントローラーの仕様を理解し、正しい手順で行う必要があります。誤った手順は、RAID構成の崩壊やデータ損失に繋がる危険性があります。
3. SSDの物理的な取り付けと内部清掃
今回は緊急対応で、SSDを3.5インチベイに取り付けるための専用マウントアダプタの準備が間に合わなかったため、既存の3.5インチHDD用の脱着フレームを流用し、SSDを両面テープで確実に固定しました。これは応急的な措置ではありますが、動作に支障がないようしっかりと固定しています。
(通常、このような場合は事前に適切なマウントアダプタをご用意いたします。)
また、サーバー内部に蓄積したホコリも、エアダスターや専用ブラシを使って丁寧に清掃しました。これにより、冷却効率の向上と、ホコリによるショートなどのリスク低減が期待できます。
4. データ移行と最終確認
SSDへの換装とRAID再構築が完了した後、最初にエクスポートしておいた「浄化槽管理ソフト」のCSVデータを新しいSSD環境のDドライブ(Data_Backupフォルダ以下)にコピーしました。お客様には、このCSVデータを利用して、ソフトウェア側でデータをインポートしていただくようご案内いたしました。
最後に、サーバーの起動確認、OSの動作確認、主要な機能のテストを行い、問題がないことを確認して作業完了といたしました。

まとめ:法人様のミッションクリティカルなサーバーも、専門知識で延命・データ保全!
サーバーは、企業の業務を支える重要なインフラです。HDDの寿命や故障は避けられない問題ですが、適切なタイミングでSSDへ換装したり、メンテナンスを行ったりすることで、サーバーの寿命を延ばし、安定した運用を継続することが可能です。
当店では、RAID構成サーバーのHDD交換・SSD換装、複雑な業務ソフトウェアのデータ移行など、法人様向けの高度な技術サポートにも対応しております。豊富な経験と専門知識を持つ技術者が、お客様の大切なデータを保護しつつ、最適なソリューションをご提案いたします。
「サーバーの動作が遅くなってきた…」
「HDDの故障が心配なので、予防的に交換したい…」
「古いサーバーだけど、まだ使い続けたい…」
このようなお悩みをお持ちの法人様は、ぜひ一度当店にご相談ください。お客様の業務継続を第一に考え、信頼性の高いサポートをご提供いたします。