先日、再起動問題に直面したパソコンが手元にやってきました。

パソコンの状況

アップルマークのローディング表示が終わらず、その間にファンの音が異常に大きくなっているとのこと。
驚くべきことに、このマシンはインターネットに接続せず、お客様が使いたいアプリを動かすためのものでした。
そしてなんと、そのアプリは現在インストールされている古いOSでしか動かないかもしれない…。
これは大変なチャレンジになりそうです。

お客様からの要望は単純明快。
パソコンが正常に起動するように修理してほしいとのこと。
けれど、このマシンはセーフモードでも起動できず、強制的にシャットダウンしてしまう。
ハードウェアに何らかの問題がありそうです。
早速、パソコンのOSが X Tiger（10.4）だと推測し、そのための起動CDを探し出しました。

修理

パソコンのロジックボードを検証するため、慎重にパソコンを分解。
しかしこのマシン、挿入可能なCDがないため、ハード診断ソフトを使うことができない。
とはいえ、この問題を解決しなければなりません。
そこでロジックボードの検査を行い、バックアップ電池の残量も確認することに。
視覚的には問題が見当たらないが、OS9エミュレーター環境が完全にクラッシュしていることが判明したのです。

深堀りするうちに、お客様のおっしゃることが確認できました。
Mac G5 が対応していないOSバージョンを無理に動かしていたのではないかと疑います。
お客様にもこの事実を伝え、OSがクラッシュした原因を探求しました。

結論としては、復旧は難しい。
対応策としてOSを再インストール、お客様の使いたいアプリも再インストールする方向になるでしょう。
しかし、ここにも新たな問題が…。
対応しているのはG4までで、G5には基本的にOS9をインストールできない。

なるほど…ここで物語は更に複雑になってきました。
G5でどのように使いたいアプリが動くOS環境を作ったのか、そして使いたいアプリのインストールディスク（ドングルのドライバー含む）を持っているのか、お客様に確認する必要があります。
これらの情報とツールが揃わなければ、このパソコンを再起動させることは…とても困難です。
 

結局、お客様からの情報はOSが10.4.2だということだけでした。
そして、システムにはクラシック9があるが起動しているかは分からないとのこと。
ああ…ここからが本当の戦いです。

挑戦はまだまだ続きます。
もう一台のG5のクローンを作って起動させようと試みたが、それもダメ。
CPUのモデルが異なるため、根本的な違いがあるようです。
情報が少なく、ネット上にも情報がほとんどない状態での特殊環境復旧はハードルが高すぎますが、できる限りの作業を行うことに…。

ここで手続きを変更しました。
240GBのSSDに交換し、OS X Tiger（10.4）をリカバリ。
さらにOS9（9.2.2）をインストールしてClassic9環境を構築。
そして、古いHDDから移行ツールを使って環境を書き戻しました。
その結果、お客様の要望通り、OSは起動できるようになったのです！！

ただし、使いたいアプリは、アプリ自体の再インストールをお客様の方でしてもらう必要があります。
いずれにせよ、作業的には以上です。

今回の修理は、まさに手強い挑戦でした。
しかし、それはまた新たな学びと経験を私にもたらしました。
次に同じ問題に遭遇したときは、今日の経験が役立つことと思います。
 

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