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最近、困ったパソコンが私の修理店に持ち込まれました。 そのパソコンの症状は一見すると、よくあるもののように思えます。 スタートメニューが開けない、サインインしてもエラーが出てしまうというものです。 しかし、これらの症状が出始めたのは、外付けHDDへCドライブのデータを移行した後だという事実に私は興味を引かれました。
持ち主によると、データの移行は単純にドラッグ&ドロップで行われたとのこと。 それだけのことでこんなに問題が生じるなんて、皆さんも不思議に思うかもしれません。 私も初めてこの症状に遭遇した時は同じように感じました。 ですが、このような症状はデータ移行の際にしばしば発生します。 移行したデータがOSの一部であったり、システムに深く関わるファイルだった場合、特にその傾向が強いのです。
パソコンの詳細な調査を進めていくと、その予想が現実のものとなりました。 このパソコンは、初期インストール済みのアプリが全て削除されていました。 恐らくドラッグ&ドロップでデータを移行したことが原因でしょう。 それによりスタートメニューは表示できるようになりましたが、「設定」アプリがなくなってしまったために、設定を開くことができません。 さらに、インターネットに接続するための基本的なアプリであるEdgeも削除されていました。
このような状態では、まともにパソコンを使うことができません。 解決のためには、システムの根本から修正する必要があります。 しかし、hpの純正リカバリーシステムもシステムの破損により利用できない状態でした。 結論から言うと、解決にはCドライブの初期化以外に方法はありませんでした。
試しに、私はバックアップクローンを作成し、回復コンソールから「クラウドリカバリー」を試してみました。 結果は成功で、全てが正常に動作するようになりました。 ただし、この作業によってお客様側でインストールしたソフトは全て消えてしまいました。 このパソコンは特定の用途に使う予定ではなく、単純に使用できる状態に戻れば良いとのことでしたので、そのまま作業を進めることにしました。
最終的に、Win11の純正リカバリーを利用して、OSの動作は全く問題なくなりました。 また、hp独自のユーティリティソフトも全て復元され、パソコンは元の状態に戻りました。 その後、アップデートなどのメンテナンスを行い、パソコンを返却しました。
この経験を通じて、データ移行時には十分な注意が必要であることを再認識しました。 特にシステムに関連するデータを移行する際には、その影響をしっかりと考える必要があることを痛感します。
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